1時限目

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「いっやぁー、ゴメンゴメン! 友達にラリアットかましてたらさぁ」 「……そう」 頭に出来た立派なたんこぶを抱え、保健室に連行された私は、先生不在という困った事になっている。 同じクラスで元気の良い(むしろ煩い)矢沢くんが、平謝りをしながらヒヤリとした手で私のおでこに触れた。 「つっ…!」 若干強い痛みにピクリと反応すれば 「あー、痛い? ほんっとゴメン」 なんて男の子なのにどこか可愛らしく、申し訳なさそうにペコリと謝られる。 「別に…大丈夫だけど……」 「そう? ……なら良かった」 ふんわりと笑った矢沢くんは、もう一度ごめんと謝ると、私のおでこを撫でた。 「じゃー、冷えピタ貼ったら教室戻ろっか」 「うん、ありがとう」 ……ふざけた人だと思ってたのに。 額に触れる冷たい感触に目を瞑りながら思ったのは、矢沢くんが意外と優しいということだった。
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