変化

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しばらくの沈黙と 片耳のイヤホンを 外しっ放しの彼に 心臓が 破裂するんじゃないか? もしかしたら この音 聞かれてるんじゃないか?と 妄想と緊張の中 落ち着きなく 窓の外を見ようと していた時。 「あのー。」  彼が声を 掛けて来た。 「は、はい!」  自分でも 恥ずかしいくらいに 声が裏返ってしまった。 「ははは。」  あっ・・・ この人 いつも眉間にシワ寄せて 怖そうだったけど こんな顔もするんだ。 私は変な誤解を してるんだなと 思い聞き返してみる。 「どうしましたか?」  すると彼は 私の事を指差して来た。 「え?」 「音楽、何聴いてるんですか?」  あぁ イヤホン付けたままだった。 彼とは違い 私は周りの音が 聞こえるくらい 小さくして聴いている。 「色々ですよ。」  私は なるべく当たり障りの ない返事をする。
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