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ひどく疲れていた。 1人ふらりと入ったbarはなかなか落ち着けて、どこか掴み所のない毛先の遊んだマスターがグラスを拭きながら微笑んでいる。 20代前半…と言ったところだろうか? 私は彼を睨みつけるように大好きなバーボンを一気に飲み干した。 「女が1人でバーボン煽ってるなんて寂しいな~もうその辺にしとけよ?」 「うるさい。あんた私より年下でしょう?」 「多分ね。」 「いいからもう一杯頂戴。」 「ダ~メ。酔いつぶれた疲れ果てた女を看病してやるほど俺は親切じゃないの」 「…………どうせ、帰ったって誰も待ってやしないわよ。」 「枯れてるな…」 「…うる………さい…」 「ったく…困った女だな」 彼はそっとブランケットを彼女の背中にかける。 どこか寂しげな彼女の背中に放っておけない感じを感じていた。 店を閉めた後、彼は名前も知らない彼女を奥のベットに寝かせてやり自分はソファーで眠りについた。
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