18人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はヒーローに憧れていた。
弱きを助け強きを挫く。そんなヒーローが大好きだった。
だが、もしも現実にヒーローになると様々な犠牲を支払うことになる。
悪の組織と戦おうものなら、くつろげる時間は無いと言っても過言では無いだろう。何故ならいつ自分が狙われるかわからない上に、いつ、どこで、誰が悪の組織に襲われるかわからないから気持ちが休まらない。
それに悪の組織に愛する人や親友を殺されるかもしれない。
そう考えるとヒーローになるアニメや特撮などの主人公たちは、馬鹿だと俺は思う。
俺なら、自分がヒーローになって色々と代償を払うくらいなら、代わりの人を探してその人にヒーローになってもらおう……などと考える。
安易にヒーローになったりしない。
いつかそんなことを考えた日があった。
ヒーローになんかなるもんじゃない。ヒーローになる奴らは馬鹿だと思う。
ところが俺は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなった。
そう。俺はヒーローになってしまったのだ。
安易な気持ちで……。
最初のコメントを投稿しよう!