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二人は杯を重ねた
「しかし龍馬、おんしゃ非道いぞ…蝦夷の冬があんなにも寒いと聞いとっつたら、うらは蝦夷にはいっとらん。おかげで何回も死にかけたわ…ええか龍馬…小便がたちまち凍りよるんぞ」
「ほう、凍りよるか」
「おお…凍りよる。しかし蝦夷の春はいい…冬からいっぺんに春が来よる…マッコト綺麗ぜよ…うらも百姓郷士じゃからわかるんが、蝦夷地の土はええ…あれで寒さに強い作物を植えたらどえらい産物がとれるじゃろう…」
「やっぱり屯田兵はやらにゃいけんのぉ…オロシャの牽制にもなる」
「うらはいかんぞ！」
「解っとる…桔磨他に何ぞ面白い話はないがかや…」
「…面白いと言うか…不思議な話は聞いた…」
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