天女伝説 1

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それから数日後、源左右衛門は亡くなった。タケルと母代里は源左右衛門の亡骸を火葬にふし墓に納めた。 「ここには線香の一本もないのね…」 代里は淋しそうに笑った。 その夜からだ。 タケルは夢に湖の畔に立つ哀しげな少女を見る。 時に何かを訴えるようにタケルを見つめるのだった。 タケルは鷹を飼っている。四年ほど前に 巣から落ち鳴いている雛を見つけ、持ち帰り懸命に育てた。 雛は大鷹の子であった。名をアサヒと名付けた。アサヒは兄弟のいないタケルにとって掛け替えのない存在だった。 タケルはアサヒがタケルの言葉が全て解っているのでは…と思うときが時折あった。 タケルもまたアサヒの言いたい事がわかる。時に複雑な感情をも理解できた。
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