天女伝説 1

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翌朝、タケルは狩り用の弓と矢、食料その他を背負いアサヒと共に出かけた。 途中、森に前もって隠し置いた戦用の強弓と矢を持ち山に入った。 「この弓が無い事に気が付けば、母上は悟られる事だろう…」 その日タケルは迂回しつつ湖に向かう。 途中何匹か獲物を射、アサヒも兎を二羽しとめた。 明日湖に入る事とし、野営地を早くに決め火をおこし、獲物の皮をはぎそれを干し。肉は山菜とキノコを入れ味噌玉を削り汁とした。余った肉はアサヒが平らげた。 「アサヒ、明日から暫く飯は食えないかもしれない…」 アサヒは判ったと答えるかのように 「ピッ」 と短く泣いた。 父と何度となく山に狩りに行った。 夜、戦話を聞くのが常であった。義経様一行は無事大陸に渡られたろうか… 太い薪を火に投げ入れタケルは眠った。
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