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「青い空に真っ直ぐ飛んでいく蝶を俺は見えなくなるまで見送った。…そして数町ほど街道を歩くと俺の目の前に…ぽとりと蝶が降ってきた。…俺はさっきの蝶だと確信したよ…笑わば笑え…この蝶は真っ直ぐに命をかけて天を目指した。俺はその時この蝶のように生きたい!と心から思った。…龍馬…おまんの気持ちはわかる…だが…蝦夷は遠い…事、天朝様に何かあったときに…俺は真っ先に駆けつけたいんじゃ…遅れをとって後悔したく無いんじゃ…のう、解ってくれ龍馬…」
「…仕方が無いのう…おまんが一番の的役なんじゃがのう…わかった。おまんの蝦夷行きは諦めるワイ」
龍馬は腕組みをして桔磨に笑いかけた。
桔磨はまた油紙と和紙を丁寧にたたみ蝶を懐にしまい、龍馬に頭を下げた。
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