127人が本棚に入れています
本棚に追加
またうとうとしかけた時
、さっきの子供の声が聞
こえてきた。
『神父さま、死んじゃっ
たの?』
『ううん、心配ないから
ね。大丈夫ですか?』
さっきの子供の声に混じ
って別の声が聞こえる。
俺はうっとうしさを隠し
もせず、目を開けて声を
かけてきた人物を見上げ
た。
「天使…」
『え?』
声の主が戸惑ったように
俺の顔を見つめた。
よく見るとそれは白い服
をきた男だった。
服装からして聖職者のよ
うだ。
『大丈夫ですか?どこか
痛みますか?』
男は再度同じ問い掛けを
繰り返した。
「眠いだけ。ほっといて
くれたら、すぐ消えるよ
」
『良かった、怪我とかじ
ゃないんですね』
男は心底ホッとしたよう
な笑みを浮かべた。
『良かったら、教会に来
て下さい。仮眠出来ると
ころもあります。ここよ
り休めますよ』
俺は無言で頷いた。
疲れきって脳は完全に考
えることを拒否っていた
。
最初のコメントを投稿しよう!