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とにかく眠れる場所を提 供してくれるのであれば 、何でもよかった。 目が覚めた時、自分が一 瞬どこにいるのかがわか らなかった。 辺り一面真っ白な部屋。 窓にはステンドグラスが はめ込まれていて、おま けにステンドグラスのデ ザインは聖母マリアだ。 俺、もしかして死んだの か? 本気でそう思い始めた時 綺麗な歌声が微かに聞こ えてきた。 あまりに心地良い歌声で 天国も案外悪くないかも なとか思ってたら、唐突 に部屋の扉が開いた。 『あ、ごめんなさい。起 きてたんですね』 部屋同様、白い服装の男 が入ってきた。 『加減はどうですか?』 「あ、うん。大丈夫」 『そうですか』 男は聖母マリアのように 穏やかな笑みを浮かべた 。 そうだ、公園で寝てたの をここに連れてきてもら ったんだ。 『これからみんなで夕飯 にするところなんです。 良かったら一緒にいかが ですか?』
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