VANISH people

新学期

また長い一年が始まると思うと足が重かった。

龍真は学校の靴箱へ向かいながら大きなため息をついた。

春休みが終わったこの季節。空は青く、涼しい風が龍間の背中を押す。

靴を履き替えた龍間は真っ直ぐに自分の教室である3年8組へ向かった。

本来、新クラスは体育館前に掲示されている。しかし、理系国公立志望である龍間はなんとなく8組であると思っていたのだ。

それに、人が多くて賑やかな場所にわざわざ自分の意志で向かうなど龍間には耐えられなかった。

3年8組に着いた龍間は無駄な動きをせず、黒板に張り出されている席順を見る。

やっぱり、自分は8組であった。窓側から２列目の最後尾。

フッと顔を上げた時、ようやくクラスにちらほらいるメンバーの顔を確認した。