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「あーっ!クソ、わかんねー!」
図書室にいた誰もが勉強をしにきたはずがあるところに釘付けであった。
そして一斉に肩を揺らした。
そう、その理由というのも学園一の不良と称される水城龍にあったのだ。
そもそも転校生に惚れていたはず、あんなにベッタリだったのに何故一緒に居ないんだ?
誰もがそう思った。しかし、水城からしたら黒歴史でしかなかった。
水城は開いていた問題集をそっと閉じた。
そして目を瞑り朝の事を思い出した。
ドンドンドンドンドンドン
「おい!開けろよ!な?仲直りしようぜ!」
「…」
「俺、許してやるからさ!」
もう一週間だ。朝昼夜と、毎日毎日。何度殴ろうと思ったかは分からない。
よくあの爽やか野郎と会計は一緒に居られんな。
もうすぐテストだというのにテスト勉強もまともにできない。そう思い俺は放課後、図書室に足を運んだ。
「あー、マジでわかんね…。」
勉強をしているのはいいものの全く分からない。優と授業をサボった間の付けが回ってきたのだろうか。
「ここは、この公式を当てはめてこれを代入するんだ。」
「あ、なるほど…。て、西園寺?!」
いきなりの登場に驚いたがそこに居たのは生徒会長である西園寺御影であった。
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