グロッケンの機械技師

技師は遍歴する。

この世界には三冊、探し求めると破滅するといわれる本があるらしい。

一冊目は、窮極の機械設計図『ルクト写本』。
難解な図形と寸法が記され、設計図通りの機械が製造されれば現在の文明は滅びるという。

二冊目は、生命錬金の書『アルハザードの鎖』。
生命の移転術式が事細かに記され、新たな生命を造り上げることすら可能にするという。

三冊目は、破壊の魔術書『幻想回廊書簡集』。
禁忌の術が記され、解読された時に世界が滅びるともいわれる。

これは、三冊の本を巡る物語。