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「別にいいんじゃね?受けてみれば?」
グシャグシャになった紙を見ながらそう言ったのは俺の唯一の兄弟である、羽佐間 亮太【ハザマリョウタ】
ボサボサの黒髪にややつり目の、まぁ世間で言うイケメンとやらに属する大学生です。
「そうだよ。 どうせあんたの成績じゃ将来に希望なんて無いんだから」
横になった大仏みたいな格好でテレビを見ながら毒を吐くのは俺達をこの世界へ導いた存在、オカンである。
クソッ!的確すぎて言い返せねぇ!
「でもさ、俺こう見えて昔から音楽とか興味あんのよ!
これってチャンスじゃね?」
「そんな事言って、どうせまた途中で止めちゃうんでしょ?」
はっ!このノリ……真剣ゼミ!?
「今回は出来る、神に誓おう。」
「わかった、じゃあもしダメだったら家の出入り禁止な。」
「いいですとも!」
「よし、俺の部屋が増えた。
まぁせいぜい残りの余生を楽しむがいい!
アハハハハハハ!!」
松岡修造もドン引きなテンションで謎の高笑いを上げながら部屋へ帰って行く兄貴のそれはもう……
いとあやしきけり。
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