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―― 「いやぁあっ!!」 バサッ― 叫びながら周りを見渡すと…いつも生活してる、自分の部屋。 ……あぁ。 …また…夢か。 強く握る布団を離し、手の平を見ると異常な汗。 瞳からは涙がこぼれ、枕をフと見ると、大きな涙の染み。 その染みを見て、また涙が込み上げてくる。 「ウッ…クッ…ひと…し」 先日、心底愛した彼.落合 仁(オチアイ ヒトシ)に別れを告げられてから、毎日のように その時の夢を見る。 2年という短い期間ではあったけど、ひたすらに愛し続け 自分の身も心も…全てを捧げた人。 それなりに恋愛もしてきたけど、ここまで愛した人は仁が初めてだった。 「な…んで…? 何で別れなきゃいけなかったの…?」 大好きだったのに……ううん、まだ…大好き。 「何で居ないの…? いつも起きたら隣に居たじゃん…」 今となっては独り暮らしとなった部屋で、同棲してた時を思いだし、隣に仁の姿を移す。 「…一人じゃ…広すぎるよぉ…」 別れた日から、ずっとこんな感じの毎日が続いてる。 .
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