真相という名の記憶

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おっ!! あったあった!! ここの店のたこ焼き超美味しいんだよなぁ おっと? なんかデジャヴが―― ……!!? 勇者アークは気づいた。 そう、記憶喪失の自分がこの店を知っているはずがない、ましてや 酒場と魔王の城を間違えるくらい、勇者は鈍感だ。 鮮明に記憶が戻ってきている……? やはり、アンリミテットなんとかの効力は凄いなと感心する勇者。 ――あぁ あとハリ戦もか。 自分の記憶が戻ってきたことに、喜びと戸惑いが同時に押し寄せてくる。 混乱してきたな……。 勇者は市場を出ることにした。 使える記憶がないか自分の蘇りかけの記憶を、必死に漁る。 ――オーマサカリナッタリ―― ん? なんか思い浮かんだような…… 気のせいか? ――これアークよ―― 名前を呼ばれた? どういうことだ? 未だ市場の中を歩いていた勇者は、立ち止まり辺りを見回す。 色んな人達が、 笑ったり 怒鳴ったり 子どもをあやしたり 値切ったり そしてまた笑ったり 一人一人の声が混ざり合い、喧騒へと変わっていく。 勇者はこの声に懐かしみの念を抱いたことを嬉しく思った。 しかし、いくら探しても、自分の名前を呼んだと思われる人物は周りには居なかった。 記憶なのか?―― もう一度記憶を漁る。 すると今度は オーマサカリナッタリ村の場所を完璧に思い出すことが出来た。 なんか この村聞いたことあんだけどなぁ……。 でも、この村に行ったら、自分の中の何かが分かるかも知れない!! 俺は、オーマサカリナッタリ村を次の目的地に決めた。 ――意外とここから近いんだな。
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