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待つ事数分で、リオはすぐ辞退?を申し出てきた(早ッ!)。
「………やっぱ、歩いて帰る」
「おい、馬鹿か?何日かけて帰るつもりだよ?」
「やっぱ、ヤだ」
「何が」
「だって、お前の兄貴ってよ………」
「兄貴が直接来るんじゃないぜ、多分。多分じゃねぇけど」
「それでもさ……」
「……………いいから、待ってろって。そんなん、俺は気にしねぇよ」
「いや、お前が気にしてもしなくても、だろ」
「いいから、待ってろ」
「だから………」
「いいから待ってろ」
「…………………」
リオは観念したらしく、ベンチに座る俺の隣に座った。
これも幼なじみだからか腐れ縁だからか、何となくオーラみたいなので解る。
なんか気落ちしてる。
いや、フツーに誰がどう見ても解るかもだけど。
けど重大な点として、とりあえずこのリオっていう奴は、まず簡単には感情表現てのをしない。
で、だから、いわゆる他人なオトナとかにはよく誤解されて終わる。
本人も本人で、その誤解を解こうって気も特に持たないから、ますますめんど――考えものな訳だ。
つか、そもそも俺が何でそこまで考えてんのか、だけども。
またしばらくして、またリオは立ち上がって言いやがった。
「……やっぱ歩いて帰る」
「待てってゴルァ」
思わず変な声が出た。
変声期とは関係ないけど。
リオは今度は決意が固いらしく、ずんずん歩いていった。
しかもスルーかよ。
「待てって!」
それもシカトされた。
とりあえず追っかけて飛び蹴りをかまして止めた。
「何すんだよ!」
「待てっつったら待てよ。このチビ」
「うるせぇよメガネ!」
「メガネで何が悪いんだよ!」
「ならチビで何が悪いんだよ?」
……………………………………………………。
とりあえず落ち着く事にした。
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