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「心配しなくてもいいよ。これ以上何にもしないし」
私の慌てっぷりが面白かったらしく、クスクス笑いながら言った。
「……」
「菜月がいいって言うまで待つよ」
「……違うんです。嫌とかじゃないんです…」
「ん?」
「…私…」
い、言えない…。
恥ずかし過ぎる。
「無理しなくていいから。こうやって抱きしめてるだけで、いいよ。」
頭を優しく撫でられた。
子供か私!
「だ、大丈夫です!」
「菜月?」
大丈夫って何が大丈夫なんだか…。
「ち、違っくって…あの、私…恥ずかしいんですけど…」
「もしかして処女?」
いい当ててもらって言わなくていい事にホッとしたのと同時に恥ずかしくって真っ赤になって何度も頷く。
引かれたかも…。
引くよね。
こんな歳で処女なんて重いよね…。
「そうなの?マジで?」
「そうです。…嫌、ですよね…。」
悲しくなって来た…。
片山さんの腕を外そうと手を当てる。
「バカだな…。」
ぎゅっと抱きしめる手に力がこもる。
「そんなの嬉しいに決まってる」
「え…。」
「菜月は俺だけの物って事だろ?」
「片山さんだけの物?」
「ああ。」
そっか。
そうなんだ…。
何だか安心した。
「今日はもう遅いから寝よう。」
「えっ?いいんですか?」
まるで私がしたいみたいに聞こえる。
恥ずかしっ!
「今度ゆっくり貰うから期待しとけ!」
笑いながら片山さんが言った。
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