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「きーりーたーにー!」
「は、はい片山さんっ!」
私は慌てて片山さんの所に駆け寄る。
「お前、どうやったらこうなるんだ?!」
間違えた所を指でトントンされて、見直す。
「あっ…すみません…」
書類をすごすごと受け取り、席に戻ってやり直す。
入社して3年。
毎日先輩の片山さんに叱られる日々。
進歩のない私に呆れているだろうが、片山さんは見放す事なく、厳しく指導してくれている。
怖いけど、感謝しないとな…。
───…。
「桐谷、昼だぞ。」
「えっ?あ、はい…」
書類を見直していると、片山さんに声をかけられた。
周りを見渡すと、すでにほとんどの人の姿がなかった。
「行くぞ。」
「えっ?どこに?」
「…飯食いに行くに決まってるだろ」
呆れ声の片山さん。
「あ、いってらっしゃい」
お昼休みに気付いてない私に声をかけてくれたのか…。
「は?お前も行くんだよ!」
片山さんは、呆れた声で、そう言うと私の腕を引っ張って立せた。
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