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まだ外は薄暗い時刻に、レンはふと目を覚ました。
カーテンの隙間から外を伺えば、まだ、家の前に建つ電柱の明かりだけが、ぼんやりと闇に浮かび上がっている。
闇を見ると、嫌でも自分を思い出す。
なのに、こんなに朝早く起きるようになったのは、いつからか…。
…いや、自分は、“前世”でも、同じくらいに早くに目覚めていた。
レンは、そんなことを考えながら、ベッドで眠る少女に目を向けた。
真っ黒な体を翻し、窓からスタッと華麗に着地を決める。
そして、わざとその少女の上に乗った。
『おい、結愛。朝だぞ』
レンは、静かにそう告げた。
だが、実際に自身や、彼女の耳に届くのは、いつも決まって、彼女とは疎通すら叶わない、単調な鳴き声。
「…なー」
その聞き慣れた、“猫”の優しい目覚ましに、少女―結愛―は夢の中から意識を戻した。
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