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「えっと…」
茅道が悩んでいると、
「白巳だよ」
栗仲が横から割り込んできた。
すると、宮田が目を落ち着いて話しだした。
「お前ら、
コクソウゾク
『黄紅蒼族』って知ってるか?」
「いきなりなんだよ?」
「知ってるかって聞いてんだよ」
茅道は、少し戸惑いつつも答える。
「そりゃ知ってるよ。ここら辺で名の知れたヤバい高校生ばっかり集めた、宮田の兄貴が昔総長やってた暴走族グループだろ?」
「あぁ。兄貴は今年、二十歳で五代目総長だったんだ。今も『黄紅蒼族』はあって七代目らしいけど」
茅道は首を傾げる。
「それがなんだよ?」
宮田が凄む。
「いいから最後まで聞け!」
また宮田は話し出す。
栗仲は静かに聞いている。
「その兄貴が中二の時、つまり、『黄紅蒼族』が出来た年の初代総長の名前は知ってるか?」
茅道は首を振る。
「だから、その話がなんだってんだよ」
「兄貴から聞いたんだが、その初代総長の名前が、日高 白巳ってんだよ…」
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