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「ねっ、メダカ先生」
栗仲は不気味な笑みを浮かべた。
この話は、日高には聞こえていなかったようだ。
「ん?なんか言ったか?」
「いや、なんでもないですよ」
「そっか」
その後、日高は生徒名簿を確かめながらある質問を栗仲にぶつけた。
「早速なんだけど栗仲。皆どこ行ったか知らないか?俺の初顔見せの日に誰もいないってのは悲しいだろ」
栗仲はハキハキと喋る。
「女子は知らないですけど、男子ならどこにいるか知ってますよ」
「お、そっか。じゃあ男子はどこにいるんだ?」
栗仲はまたハキハキと喋る。
「男子なら全員、隣の中学の上浜中学と駅前通りの倉庫で喧嘩してるはずですよ」
「何っ!ケンカっ!?」
「そうでぇす」
「じゃ、お前らはなんでここにいるんだ?」
「先生が喧嘩を止めにいくのを防ぐためですよ。ジャンケンで負けちゃって。ねっ」
そう言って、栗仲は茅道の肩にポンと手を置いた。
「ほっとけ!」
茅道はふてくされたように手を払い除ける。
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