記録.1 [出逢い]

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「ねっ、メダカ先生」 栗仲は不気味な笑みを浮かべた。 この話は、日高には聞こえていなかったようだ。 「ん?なんか言ったか?」 「いや、なんでもないですよ」 「そっか」 その後、日高は生徒名簿を確かめながらある質問を栗仲にぶつけた。 「早速なんだけど栗仲。皆どこ行ったか知らないか?俺の初顔見せの日に誰もいないってのは悲しいだろ」 栗仲はハキハキと喋る。 「女子は知らないですけど、男子ならどこにいるか知ってますよ」 「お、そっか。じゃあ男子はどこにいるんだ?」 栗仲はまたハキハキと喋る。 「男子なら全員、隣の中学の上浜中学と駅前通りの倉庫で喧嘩してるはずですよ」 「何っ!ケンカっ!?」 「そうでぇす」 「じゃ、お前らはなんでここにいるんだ?」 「先生が喧嘩を止めにいくのを防ぐためですよ。ジャンケンで負けちゃって。ねっ」 そう言って、栗仲は茅道の肩にポンと手を置いた。 「ほっとけ!」 茅道はふてくされたように手を払い除ける。
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