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日高の中の若き血が蘇る。
「こうしちゃいられねぇ!俺、その倉庫行ってくるわ!」
ドアの方に走ろうとする日高に栗仲が言う。
「おっとっと。だから行かせないように俺らがいるって言ったじゃないですか。メダカ先生」
栗仲と茅道が立ち上がる。
だが、日高は教師らしからぬ発言をする。
「バカっ!誰が止めるか!見に行くんだよ!ケンカなんてここ最近全然見てねぇからさ。お前らも行くか?」
栗仲と茅道はその言葉に驚いた。
栗仲が日高に問う。
「あれれ?怒んないんですか?」
その問いに日高は大きく返す。
「怒るわけないだろっ!ケンカなんて日常茶飯事だよ!それより早くしないと終わっちゃうだろ!俺、先行ってるからな!」
そう言って日高は教室を出ていった。
「お、おいっ!!」
茅道が止めるがもう遅かった。
「栗仲、いいのかよ?あいつあんなこと言って喧嘩止めに行くつもりかも知んねぇぞ?俺らも行かねぇとっ!…おい聞いてんのかよ!」
「…ふっ」
「なに笑ってんだよ?」
「いや、今回の先公は…虐めがいがあるなぁと思ってさ」
また栗仲が不気味に笑う。
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