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ヒュー・・・・・・
辺りを生暖かい風が吹きぬけ、草や木の葉がこすれあう音だけがいやに大きく聴こえる。
「どうしたの?このアヤコ様を付け狙った事をタップリ後悔させてあげるわ!!」
「・・・・・・どうやら、隠れ通すことは出来そうにないな。参った参った」
電柱の影から出てきたのは、同年代の青年とそれに縋り付くかわいい女の子。
「アンタたち、このアヤコ様をストーキングするとは中々いい度胸しているわね」
アヤコは構えを崩さずに言う。
「いやぁ、あなたの巫女装束姿がかわいくって・・・・・・じゃなくてこれにはマリアナ海溝より深いわけがあってだな・・・・・・」
「そうですの。世界の未来に関わる重大な理由ですの」
「どんな理由があろうとつきまといは立派な犯罪よ」
「とりあえず、話だけでも・・・・・・」
「バッカじゃないの?ストーカーと話すことなんてないわ。話なら私よりお巡りさんとゆっくりさせてあげるわ!!はっ!!」
突然、男の懐に飛び込んでくるアヤコ。それと同時に、男の腹部に突き出される右腕の正拳突き。
ドガッ!!
「うっ!!」
男は2メートルほど飛んで、沿道の家の庭の壁に激突し、そのまま、地面にずり落ちる。
「おお!!おにぃ、よく飛ぶですの~」
「フン!!空手有段者の実力、その身でしかと感じなさい」
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