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柊明良
「君は駄目な男なんかじゃないさ。」
橘純一
「あ、柊……」
柊明良
「確かに君は勉強はできないし運動も
ずば抜けて優秀である訳でもない。」
橘純一
「確かにそうだよ……
だから僕なんて……」
柊明良
「でも君には誰にも
負けない事があるだろ?」
橘純一
「そんな事なんて何もないよ………」
柊明良
「いや、あるさ。
君は他の誰よりも
中多さんを愛しているじゃないか。」
橘純一
「ははっ………僕には
それしかできないからね…………」
柊明良
「それで充分じゃないか。
中多さんも自分には
それしかないと思っている。
君の事が好きな気持ちしか
他の女の子には勝てないと。」
橘純一
「そ、そんな事ないよ!
紗江ちゃんは
とても一途で純粋で優しくて………」
柊明良
「そう言う事さ。」
橘純一
「え……」
柊明良
「中多さんも同じ事を言われたら
君のいい所をいくつでも言うだろう。
つまり、自信がないのは
お互い様って事さ。」
橘純一
「で、でも周りの人は
釣り合ってないって言うと……」
柊明良
「でも、中多さんが好きな人は君だけさ。
誰がなんと言おうとも中多さんは
君と一緒に居たいと思っている。
その気持ちに変わりはない。
中多さんは
ベストカップルコンテストで着る服を
君の分まで作っている。
それがその証拠さ。」
橘純一
「そうか、紗江ちゃんは僕の………って
どうして柊がそんな事知って……」
柊明良
「…………頑張れよ。」
橘純一
「あ、柊!」
柊は逃げてしまった。
橘純一
{あいつ、もしかして
ストーカーなのか………}
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