8章

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「もちろん、規則を守ってくれている方も沢山います。ですから、そのような方たちのためにも、なるべく、中止にはしたくないのです。でもそれだと、示しがつかないというのもありまして……。ご存知かもしれませんが、中には、沖田総司忌以外の日に来て、塀を飛び越える方もいらっしゃるそうなんです。そうまでしてお墓参りをしてくださるという、そのお気持ちはもちろんとても嬉しいです。ですがそれは、たいへん危険な行為で、真似をする方が増えても困るのです」 「はい」 なんか……。 本当に、いろいろ大変なんだな。 ごく少数のその人たちのせいで、専称寺も、沖田家の方々も、とても苦労してられるんだ。 「あ……。すみません、話がそれてしまいましたね」 複雑な気持ちで小百合さんを見つめていると、俯いていた顔を上げた彼女と不意に目が合い、驚いた私の顔を見て、彼女は困ったように笑った。 .
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