8章

15/21
前へ
/197ページ
次へ
「……あの」 「はい?」 抽選の内容、わかった気がする。 だって、話の流れと、いま私が居る場所を考えると……。 「もしかして、もう一度お墓参りさせてくださるんですか?沖田総司……さんの」 おずおずと言えば、小百合さんは少し目を丸くして、それからふわっと笑った。 「はい」 ……正直、複雑だった。 だって、何度も言うけど私が新撰組を好きになったのは、本当の本当に昨日の今日で。 しかも、特別沖田総司が好きというわけでもない。 それならば、もっと他に、この抽選を泣いて喜ぶ人たちが、たくさんいるんじゃないかと……。 本当に私なんかで良かったのかと、少し申し訳ない気持ちになる。 .
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加