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「抽選という言葉とは少し違うかもしれませんが、一応の名目上……」
「…………」
「あ……、すみません。この抽選に当たる方は、他の方が当たる普通の景品などは当たらないようにしていましたので……。もしかして、そちらの方が良かったでしょうか……」
「えっ……」
私が何の反応も示さないことをそんなふうに感じたのか、小百合さんが、申し訳なさそうに言う。
「そ、そんなことないです!」
私は慌てて首を振った。
「とても嬉しいです! 本当に」
「そうですか……。なら、良かったです」
小百合さんが安心したように微笑むのを見て、私もほっと胸を撫で下ろした。
せっかく小百合さんが、沖田総司のファンのことを思ってこの抽選を用意してくれたんだ。
だから、彼女の厚意を否定するような、そんな誤解だけは避けたい。
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