8章

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実は、私のおばあちゃんが美容師で、例えば、七五三や弦楽器などの習い事の発表会を迎えるお客さんがいる際には、髪型と同時に、着物の着付けも行っている。 そして私は、よくそれを手伝う。だから、見様見真似でなんとかなるかもしれない。 「まず自分でやってみます」 「そうですか、わかりました。では、私は部屋の外で待っておりますので、もしできないようならば、その時はお呼びください」 「はい。ありがとうございます」 頭を下げて部屋を出ていく小百合さんに、私も頭を下げた。 「ふう……」 それにしても暑い。 小百合さんの顔にも、うっすらと汗が滲んでいた。 「さて……」 .
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