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「すみません。お待たせしました」
あれから、途中いろいろと苦戦したけれど、なんとか着てみて、部屋の障子を開けながらそう言えば、そこには小百合さんが微笑んで立っていた。
「ちゃんと着れてるでしょうか……」
恐る恐る尋ねれば、彼女はにっこり笑って頷いた。
「大丈夫ですよ、とてもお上手です。それに、とてもお似合いで」
「そ、そうですか?」
そんなに褒められるほどの出来じゃないのは自分でも分かっているけれど、そう言われると嬉しい。
「あ、それから……。どうぞ」
密かに喜ぶ私にそう言って差し出されたのは、冷たい麦茶を注いで、その上に氷を浮かべた長いグラス。
「暑いでしょうし、お墓に行く前に、どうぞ飲んでください」
「あ、ありがとうございます」
それでは遠慮なく……、とグラスを受け取り、口に付けて傾ければ、冷たい液体が喉をすっと通り、麦茶の香りがふわっと広がった。
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