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「美味しかったです。ごちそうさまでした」
息をついてそう言えば、小百合さんがグラスを渡すよう促してくれ、それに従いすっかり空になったグラスを差し出せば、彼女はそれを受け取って、持っていたらしい盆の上に乗せた。
「それでは、行きましょうか」
歩き出す小百合さんに、頷いてついていく。
夏だからまだ日は明るいけれど、多分7時くらいだと思う。時間的には、結構遅い。
着物を着るためにここに来た時と同じように、並んで歩く。
特に何も話さなかったけれど別に居心地が悪いわけでもなく、道が行きより短く感じたのは、一度通ったせいもあったからかもしれない。
とにかく、気付けばもうお墓についていて、小百合さんの言った通り、塀の外から拝んでいる人も、数人いるみたいだった。
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