9章

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朝に皆であげた線香の火は、当たり前だけどすっかり消えていて、燃え尽きていないものも大量にあり、私はそれらにも火をつける。 「…………」 そして身体を屈めると、手を合わせ、目を閉じる。 おこがましいかもしれないけど、他のファンの人たちのためにも、沖田総司の冥福を、代わりにたくさん祈っておこうと思った。 ……どれだけ手を合わせていたかは分からない。 長かったかもしれないし、短かったかもしれない。 とにかく、これで一通り終えたと思った私は、目を開けて、屈めていた身体を元に戻した。 ……その時。 「ニャー」 「えっ!?」 そんな高い音と共に、足元に黒い塊が見え、私は驚いて少し飛びのく。 「なに……」 距離を置いて見下ろせば、そこにはとても小さな猫。 「な、なんだ。猫か……」 .
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