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うぉーん、かんかんかん
いつき「なんだ、うるさいな」
俺は寝ぼけながら目を開けた
全身があつい
「ここは…墓地……か」
「う、うろろろろえ、ぷ」
俺は吐きまくった
ありえないくらい吐いてはいて吐きつづけた
「…しぬより最悪の気分だ」
うぉーーん、かんかんかん
(さっきからなんだよ)
俺は立ち上がり外を見た
夜空が真っ赤になっていた
「まさか……また、同じ夢か?よしてくれ」
最初はそう思ったが違う
どこかが燃えているようだ
「おいおいおいおい、よしてくれよ…あそこは俺ん家の方角じゃないかっ」
赤く燃えている方向に急いで走った
あいつらに追われてるときよりもはやく走った
俺の家の前には消防車がたくさんならんでいた
俺の予想は的中した
いつき「かあさーーん、かあああさーん」
俺は叫びながら燃えている自分の家に入ろうとした
消防士「これ、きみ、なにしてるんだ。危ないから離れて」
いつき「かあさんがいるんだあの中に、絶対いるんだあの中に」
「だから入らせてくれ、入らせてくれ」
消防士「なにを言っているんだ、いいからこっち来なさい」
強引に大人の両腕で捕まえられ、やじ馬の後ろまで下げられた
いつき「……………抱きしめさせろよ、俺は燃えたっていいんだ、現実ではあの温もり…も……あじ…わえない………」
後日焼け跡から母さんの骨がみつかった
ほとんど燃やされ破片みたいな骨が少しあるだけだった
俺は望んでいたが、望んでいない…本当の孤独になった
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