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妹がババちゃん(傷跡を参照)の家に預けられてた頃、私は保育園から帰るとよく祖父と散歩に出掛けていた。
ある時は河原の土手を、ある時は商店街を、そしてまたある時は、寺の境内を記憶の中では様々な所に出かけていた。
しかし気が付いた事がある私は何年もその様にして来たと思っていたが季節はいつも春なのである
河原の土手には、土筆(つくし)を採りに出かけ、寺の境内には、鳩に餌を与え商店街は、佃煮屋でいつも澱粉(桜デンプンの着色してない物)を買いに行く。
佃煮屋は買い物だろうと思われ諸兄に申し上げておく、此処に行く際祖父は他に買い物をしなかった。なぜだかはわからない。
ただこの3ヵ所の帰りに必ず寄る場所がある。甘味処だ。私は甘辛だれの串団子、祖父は素甘。食べおわって煎茶を飲みシンセイと言う名の煙草を飲みイエジニつく。
この祖父はクッキー、ビスケットのことを歯糞菓子(ハクソガシ)と呼び毛嫌いしていて食べさせ貰えなかった。
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