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凛々しい姿の少年が面白そうに笑いながらに眺めていた。
それに気づくと、慌てて三人は膝を着いてなおった。
「気づかず、申し訳ありません駒王丸さま」
「いやいや、そんなに改まらないでくれ」
姉が言った言葉に苦笑しながら返した。
「そうそう、巴」
「はい、なんでしょうか?」
「だから、敬語は使わないでくれ兼遠が呼んでいたぞ」
「父上が?わかりました。すぐまいります」
頭を軽く下げ立ち上がると、早足で歩いて去っていった。
「ねぇ兄上、なぜ父上は姉上を呼ばれたのですか?」
それを聞くと、次郎は腕を組みう――んと唸った。
「姉上も年だからなあの話かもしれないな」
「あの話ってなに?」
首を傾げて、また兄に尋ねた。
「子供のお前には、まだはやい話だ」
「あの話か……」
駒王丸は肩を落とし、ため息を付いた。
「兄上……何故、駒王丸さまは落ち込んでいらっしゃるのですか?」
「子供には、言っても仕方の無い事だ」
そう言いうと、小さく笑いながら四朗の頭を軽く小突く。
兄に子供扱いされた四朗は頬を膨らませ、ブスくれた。
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