3681人が本棚に入れています
本棚に追加
「……よし!」
と自分で景気をつけて教室のドアを開ける。
みんなの視線が集まるけどそれを全く気にしない。
ドアから入ったところの一番そばの席にいる優樹くんに、席を迂回して前の席で寝ている真琴くんの横に立って話しかける。
「ゆ、ゆ、ゆ、優樹くん。これ生徒会の資料」
「お、お、お、おう」
ふたりとも緊張でカミカミ。
ものすごくぎこちなくなってしまった。
「……んだ?うるさいな……」
しかも無駄にボリュームが高かったため、
真琴くんを起こしてしまった。
真琴くんは不機嫌そうに目をこすった。
「おっ?会長?」
そして隣にいる私に気づいた。
……言わなきゃ……今言わなきゃ……
「あの……「あっ、そうだ会長。これからふたりで学食食いに行かね?奢るからさ」…………はいぃ?」
私の時間が止まった。
たとえ横で優樹くんが
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」とか驚いていても、
真琴くんが机の上の教科書を立てたと思ったら、そこに大量のカッターナイフが刺さったとしても、
真琴が呆然とする私を自分の方に引き寄せ、私の陰に隠れたとしても、
後ろから「……くっ!瑠奈さんを盾にするなんて卑怯な!…………えっ!?いや、それはヤバいって!死ぬって……ぎゃぁぁぁぁ!!」……とか言ってても、全部関係ない事に感じた。
最初のコメントを投稿しよう!