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学校の食堂。
基本的にお弁当の私には始めての経験。
しかもその相手は真琴くん。
緊張して何をすればいいのかわからない。
なにを食べるかも決めてなかったからとりあえず真琴くんと同じものにしてもらった。
ふたりで机に向かい合って座り、
一緒にザルうどんを食べる。
私たちの間には会話がない。
なにか喋らないととは思うけど
なにを喋っていいかわからない。
なにか……なにか共通の話題を……
「……悪かったな」
話題を探していたら急に謝られた。
……ひょっとして誘ったの後悔してる?
「なにが?」
と聞き返す。
これで『一緒にいても思ったより面白くなかったな』とか言われたら泣く自信がある。
「……バッチのこと」
……バッチ?この前の?それに関してなにか謝られるようなことあったかな?むしろこっちはお礼言いたいのに……
「俺が下手に騒いだせいで逆に会長を傷つけることになったんじゃないかなーって思ってさ」
真琴くんは表情も態度も
全く変えずに自然に聞いてきた。
……もしかして心配してくれたの?
……だったら……嬉しい。
「うんん、むしろ嬉しかった。
ありがとうね?真琴くん」
私の正直な気持ちを彼に伝えた。
彼は少し照れ臭そうに「そうか……」と笑った。
なんとなくだけど打ち解けれた気がした。
今なら聞ける?聞けるの?
……いや!聞こう!
自然に会話の流れでを装って!
頑張れ!私!
「そ、そういえば真琴くんって彼女とかいるの?」
「いないし、いたこともないし、これからできる気配もない」
即答だった。
こっちはかなり緊張したのに、
向こうはかなり投げやり。
……でも正直、嬉しかった。
机の下で思いっきりガッツポーズした。
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