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≪悟郎視点≫
深夜、おぞましい雄叫びにより俺は目を覚ます。また今日も魔物が来たようだ。
急いで村の門の方へ行くと、
いつものように村人がこれ以上進ませまいと魔物を半円状に囲んで武器を構えている。
ある1人の勇敢な村人が
手に持っていた槍をその魔物に投げつけた。
しかし魔物はビクともしない。
逆に魔物の怒りを買っただけのようだ。
やれやれ……俺の出番か……
「下がっていろ。俺が出る」
俺は村人達を下がらせる。
俺を心配する村人達が声をかけてくれるが、
俺は笑顔で「俺なら大丈夫」とそれを諭した。
……殴られて気持ちよくて
しかも英雄扱い。やめられるかっつーの!
俺は魔物の前に立った。
しかしこいつ本当に倒せねーんだよな。
最初は頑張って戦ったんだけど、
なんていうか……相手が全然疲れない。
なんでだ?イベントキャラだからか?
もしかして勇者じゃなきゃ倒せな……
…………………………あぁっ!!?
俺は急いで後ろを振り返った。
月の光に照らされたうちの家の屋根。
その上にマントを風になびかせて、
背中に剣を構える男の影を俺は見た。
……あっ、俺の時代オワタ……
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