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阪大病院はとても広く、母は痛みと怠さでつらそうだったので、車椅子を借りて、車椅子で待った。
予約した時間よりも遥かに待たされ、名前を呼ばれたのはもう夕方だった
母は、ずっと
『余命三ヶ月だ』と言い続けていた
先生に、紹介状を見せて、問診が始まった
『どこが痛みますか?』
『背中から腰にかけて…あと右股関節が。悪いのは左股関節なんですが…』
『ALPが異常に高いですね。これは肝臓でも上がりますが骨でもあがります。事故での骨折などはありませんでしたか?』
『地元の整形外科では骨折はないと言われました』
『とりあえず、超音波。エコーですね。エコーで肝臓、すい臓、胆嚢を見ます。予約を入れますのでまた来てください。エコーの結果がでるのはまたその後日ですので』
そんな感じだったと思う。
私が
『母は毎日余命三ヶ月と弱気になっているんです』
と言うと、先生は笑いながら
『例えば肝臓癌で余命三ヶ月の人はこうして来れませんよ。トタン板に乗せられて、のたうちまわりながら来ないとダメですよ』
と、言った。
少し、安心した。
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