10代~孤独~

4/4

22人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
18歳になり、運転免許を取りに行った。 助手席に座る先生の声が聞き取れず、左耳が聞こえないことを話し《少し大きめな声で指導して欲しい》とお願いしたら… それは、あなたの勝手な言い分です。 そう言われた。 最低な奴…そう思ったが《聞き取れないなら免許を取るな》そう言われても仕方ない。 その後、聞き取れないときがあっても、とりあえず《はい》と返事をして誤魔化すしかなった。 高校を卒業後、事務として就職した。 電話の対応をしてる横で誰かが話しかけて来ても、気配が無い限り私にはわからない。 聞こえる耳を受話器に当てると、他の音は拾えないからだ。 誰かからの電話なのか聞いただろ? なんで無視するんだ! 片方の耳が聞こえないことを話す。 気まずそうな顔をし、無言の人もいたが… めんどくせぇな! そんな言葉を投げつける人もいたので、周りの迷惑も考えて辞めた。 それから、事務職には就かないと決めた。 世の中は敵だらけだ。 障害者に対し優しいふりだけをする《偽善者だらけ》なんだと感じた。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加