カルテット

彼女の秘密

『飯田さんはどうしてその患者さんに対して特別興味があるの？』
オレは基本の質問からする。

『彼女…何か心に大きな闇がある気がするの？』
『闇？』
『うん。
まだ解らないけどとても人には言えない様な何かが…』
『まあ…飯田さんがそう感じて助けたいって思う気持ちは解らなくもないけど原因分からなければ飯田さんでも対処は難しいんじゃないかな？』

オレは自分の意見を率直に述べる。

『そうなんですけど彼女まだハタチそこそこの年齢なのにお父さんの自殺未遂翌日に自殺未遂なんてちょっと普通じゃないと思うんです。』

まあ普通ではないが今時若くして自殺を謀る奴なんて珍しくないのでオレは言葉を続けた。