権力

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親父の電話は単語だけのとても短いものだった。 『ワシだ!』『例の件』『潰してくれ。』『よろしく頼む!』 たったのこれだけが親父の言ったセリフだった。 オレにはますます訳が解らない。 とにかく内容だけでも解ればとも思った。 そんなオレをよそに親父は兄貴に一言言った。 『例の女は自爆テロの犯罪者にする事になった。 研二明日を楽しみにしてなさい。』 親父が怪しく微笑みかけた。 これに安堵の表情を浮かべる兄貴… オレにはこの2人がとにかく恐ろしく、同時に家族となった事を激しく後悔したのだった。 この時点でオレの希望は… もう最後の1人しか居なくなってしまった瞬間だった。
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