第2話 素直になりたい

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「…」 「…」 無言で、黙々と歩き続ける私たち。 普段はここで私の口から罵倒の数々が吐き出されるが、今の状況では何一つ言葉が出てこない。 「あのさ…」 沈黙を破ったのはキョウだった。 「何!?」 若干喧嘩腰で答える私。 正直、無言の間が辛かったので助かったが、そんな感情は表に出せない。 「何で喧嘩腰なんだよ…じゃなくて、さっきは何読んでたんだ?」 「…?」 読んでいた?何を? ああ、私が眠る前に見てた漫画の事か。 「あの漫画は『夏色サークル』って漫画で…私の一番好きな漫画なんだ。」 「へぇ…」 「私、ラブコメが好きでさ!」 「そうなのか、意外だな。」 キョウが聞いてきたクセに、いざとなると… 「反応薄っ!!てか意外って…」 「まあ、お前に罵倒されてりゃな。」 「…あっそ。」 「お前も十分反応薄いわ!」 と、コントみたいな会話をした後、キョウがいきなり笑い出した。
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