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「…」
「…」
無言で、黙々と歩き続ける私たち。
普段はここで私の口から罵倒の数々が吐き出されるが、今の状況では何一つ言葉が出てこない。
「あのさ…」
沈黙を破ったのはキョウだった。
「何!?」
若干喧嘩腰で答える私。
正直、無言の間が辛かったので助かったが、そんな感情は表に出せない。
「何で喧嘩腰なんだよ…じゃなくて、さっきは何読んでたんだ?」
「…?」
読んでいた?何を?
ああ、私が眠る前に見てた漫画の事か。
「あの漫画は『夏色サークル』って漫画で…私の一番好きな漫画なんだ。」
「へぇ…」
「私、ラブコメが好きでさ!」
「そうなのか、意外だな。」
キョウが聞いてきたクセに、いざとなると…
「反応薄っ!!てか意外って…」
「まあ、お前に罵倒されてりゃな。」
「…あっそ。」
「お前も十分反応薄いわ!」
と、コントみたいな会話をした後、キョウがいきなり笑い出した。
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