第1話 結局どうでもいいじゃない

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しかし、流石に今のは言い過ぎだ。 確かに童貞ではあるが面と言われて、しかも女の子に言われるのはダメージが大きい。 「…いくらお前みたいな残念美少女でも言って悪い事と良いことが」 あるぞ、と言おうとした瞬間。 矢継ぎ早に凛花の口から数々の罵倒が放たれる。 「じゃあ私がキョウに言った言葉は良いことなのかしら!?自分の立場も分からないゴミ屑同然のキョウに真実を教えてあげたんだからっ!!それとも何?キョウはそんな簡単な事も分からないくらい頭に何か湧き出てんのかしらぁ?」 駄目だこいつ、早くなんとかしないと… こうなると凛花は止められない。 何を言っても罵倒が返ってくるだけだ。 無視が一番安定の策だ。 「あら?図星過ぎて何も言えないのかしらぁ?」 執拗に絡む凛花、正直ウザイ。 徹底的に無視する俺、正直ツライ。 「真性ロリコンのキョウ…」 不意に凛花の口から聞こえたこの言葉を、俺は聞き逃さなかった。 「誰がロリコンだ!この腐れビッチが!俺はロリコンじゃねえって何回言ったら分かるんだ!」 誰にだって言われたら本気でキレる言葉はある。 俺にとっては「ロリコン」の四文字がただその言葉だっただけ。 そしてこの凛花は、よくその禁句を言うだけである。 それだけだ。それだけだが、それが一番腹立たしい!!
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