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「な…キョウのくせに生意気なぁ!」
「生意気なのはテメエだペシャンコ女!」
俺は我を忘れて、もう端から見たら喧嘩のような勢いで凛花と取っ組み合いをしている。
「誰が胸ペシャンコの腐れロリだって!?」
「頭に何か湧いてんのはお前の方じゃねえのか!?」
「止めなさい!」
と、ふと教室の後ろの入り口から怒鳴り声が聞こえる。
俺と凛花は喧嘩を止め、そちらを見る。
「全く、始まって5ページ目であんたらは何て会話してんのよ…」
そう言って頭を抱えているのが、俺たちのクラスメイトである巴 玲奈(ともえ れいな)。
同学年ではあるが、俺達より1歳上であることから「レイ姉」と呼ばれ親しまれている。
背が高くスレンダーな体系、そして色々な知識を持ち合わせていることから同学年男子からの人気は高い。
この人も「部活」の参加者なのだが、この常識人が何故付き合ってくれているのか俺には理解出来ない。
「…廊下に誰もいないとはいえ、とんでもない会話だったわよ。正直引いたわ…」
そう言われて、ふと俺たちは先ほどの会話を思い出してみる。
…
これはひどい。
凛花は頬を染めて何も言わずにそっぽを向き、俺は後悔して溜め息をつく。
「後悔はしてる。けど反省はしてない。」
凛花はそっぽを向いたままボソッとつぶやく。
「いや、それじゃあ駄目だから」
と迅速で的確な突っ込み。
流石玲奈である。
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