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「さっきは助けてくれてありがとな。」
男は少し照れた様子で言った。
黒い短髪、輝く瞳は悪戯をした子供のようにあやしく光っていた。
口に浮かべた優しい微笑にフランは胸があったかくなるのを感じた。
「ところで、君は一体誰なんだ?」
表情が少し曇る。
いきなり、しかも見知らぬ少女に助けられたことに対してまだ疑問を感じている。
「私、フランと申します。旅をしているのですが、お困りのようでしたのでお助けいたしました。」
とっさに思いついた言葉で説明をした。
高鳴る胸の鼓動に笑みを浮かべながら、相手の言葉を待つ。
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