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今日はもう遅いからと、フランは勇羅の家で夕食を頂くことにした。
少し暗くなった森を抜けると、ぽつぽつと明りのついた小さな村にたどりついた。しばらくして、二人は不思議な形をした家の前へとたどり着いた。
「ここが、俺のうちだ。まぁ、入れよ。」
勇羅に連れられて中に入ると、そこにはフードをかぶった女性がいた。部屋が暗くて表情があまり見えない。
「おかえり、勇羅。」
その女性はフードを脱ぐとフランに会釈をした。
あわてて、フランもかえす。
女性は黒髪を肩ほどの長さに伸ばしている。少しいたずらっ子のような笑みを浮かべ、こう言った。
「ようこそ、占いの館「白梅」へ。」
「占いの・・館?しろうめ??」
「こいつはお客じゃないって。今日から俺のパートナーになったんだ。」
「冗談よ。・・いらっしゃい。」
ふふっと笑い彼女はフランを見た。何もかも見透かしてしまうような、そんな気になるまなざしで。
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