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「俺もだ。フランと会って、俺は変われたのかもしれないな。」
「私も、勇羅さんに会って自分を変えることができたと思うんです。」
フランは心の底からそう言った。今までは一国の姫として生きてきた。でも、ここでは私はフランとして生きていける。
姫と言う存在じゃなく私自身を見てもらえる。そう、感じることが出来たから。
その時、修行をしていた森の陰から人の気配がした。一気に、緊張感が高まる。
「そこにいるのは誰だ。俺たちに何か用か。」
勇羅はさっと、剣の柄に手をかける。
「剣帝勇羅殿に弟子が出来たと聞きましたが、まさか…こんなに弱い女だったとは。」
男の声が森にこだまする。男はさっと立ち上がると二人に向かって歩き出した。
「僕は、泪と申します。勇羅殿の弟子になりたくてここまでやってまいりました。」
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