Prologue

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フラン・セリフィル・ムーン この世界でたった一人、国に満足していない少女。 彼女はムーンの名を持つ王族、この世界を支配する姫であった。 くるりとカールしたクリーム色の髪、琥珀のような瞳、透き通った声、全てが美しく国民の評判もよかった。そのため求婚者が後を絶たなかった。彼女は容姿が美しいだけではなく、人懐っこい性格であったから国民からもとてもかわいがられていた。 ほしいものが何もかも手に入る彼女に不満があったのはなぜだろう。不満というよりも異なる世界への興味だったのかもしれない。なにより空から見える世界が、彼女の心をひきつけた。 「人間」の住む世界に彼女は憧れた。 汚らわしい、醜いとされている人間に、 彼女は興味を持った。
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