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とある晴れた日のことだった。
フランは宮殿の中で探し物をしていた。少し古い恋物語の本を読もうと思い、宮殿じゅうを探していたのだ。
「姫、そのようなことは我々に任せてください。」
家来の言うことに耳も貸さずに宮殿中を探しまわる彼女に彼らの声は届かない。「私が読むのですから、あなた方が探す必要などないのですよ。」
「しかし…」
「次は、宝物庫の方を見に行きます。」
瞳を輝かせて、行動しているフランに家来は何も言えなかった。
フランは王家の中でも少々変わっていることで有名だった。自分でできることは、なんでも自分でやりたがったし、何より他人に頼ることを嫌っていた。
「意志の強いところは長所だが、もっと落ち着いてほしいものだ」
といつも国王は苦笑交じりに言っていた。
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